陶淵明の世界

HOME本館ブログ東京を描く水彩画万葉集をよむフランス詩選プロフィール掲示板サイトマップ



 陶淵明:飲酒二十首 序


飲酒二十首・序

  余閑居寡歡     余閑居して歡び寡く
  兼比夜已長     兼ねてこのごろ夜已に長し
  偶有名酒       偶たま名酒あれば
  無夕不飮       夕として飮まざる無し
  顧影獨盡       影を顧みて獨り盡くし
  忽焉復醉       忽焉として復た醉ふ
  既醉之後       既に醉ひての後は
  輒題數句自娯    輒ち數句を題して自から娯しむ
  紙墨遂多       紙墨遂に多く
  辭無詮次       辭に詮次無し
  聊命故人書之    聊か故人に命じて之を書せしめ
  以爲歡笑爾     以て歡笑と爲さんのみ

自分は閑居の身で喜びも少ないうえ、秋も深まったこの頃は夜も長い、そこで酒があれば、これを飲まない夜はない

自分の影を相手に独酌し、飲めばたちまち酔う、酔った後は、数句をひねり詩に仕立てて、自ら楽しむのだ

かくて書きちらしたものがたまってきたが、前後に脈絡があるわけでもない、友人に清書してもらい、笑いの種にでもしようと思う



前へHOME飲酒二十首次へ








作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2007
このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである