HOME|本館ブログ|東京を描く|水彩画|万葉集をよむ|フランス詩選|プロフィール|掲示板|サイトマップ |
栖栖失群鳥(陶淵明:飲酒其四) |
栖栖失群鳥 栖栖たり群を失へる鳥 日暮猶獨飛 日暮れて猶ほ獨り飛ぶ 徘徊無定止 徘徊して定止するなく 夜夜聲轉悲 夜夜 聲は轉た悲し 視ソ思清遠 視ソ 清遠を思ひ 去來何依依 去來 何ぞ依依たる 因値孤生松 孤生の松に値へるに因り 歛翼遙來歸 翼を歛めて遙かに來り歸る 勁風無榮木 勁風に榮木無きも 此蔭獨不衰 此の蔭獨り衰へず 託身已得所 身を託するに已に所を得たり 千載不相違 千載 相ひ違はざらん 群れにはぐれた鳥が不安げに、日が暮れてもなお一人飛んでいる、徘徊して一箇所にとどまることなく、夜毎に泣く声はいよいよ悲しい、激しい叫びは遠くの仲間を求めているのか、行きつ戻りつして後ろ髪を引かれているようだ(栖栖:不安な様子、視ソ:激しく叫ぶ音) 一本ぽつんと立っている松を見つけると、翼を収めて身を休めた、冷たい風に大方の木は葉を落としたが、この松だけは緑の影をたたえている、身を託するには心強い、これからもずっと共に生きていこう |
前へ|HOME|飲酒|次へ |
作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2007 |