HOME|本館ブログ|東京を描く|水彩画|万葉集をよむ|フランス詩選|プロフィール|掲示板|サイトマップ |
有客常同止(陶淵明:飲酒其十三) |
有客常同止 客有り 常に止を同じくするも 取舍獏異境 取舍 獏として境を異にす 一士常獨醉 一士は常に獨り醉ひ 一夫終年醒 一夫は終年醒めたり 醒醉還相笑 醒と醉と還た相ひ笑ひ 發言各不領 發言各おの領せず 規規一何愚 規規たるは一に何ぞ愚かなる 兀傲差若穎 兀傲たるは差や穎れるが若し 寄言酣中客 言を寄す酣中の客に 日沒燭當秉 日沒すれば燭當に秉るべし 二人の男があって、いつも同じところにいるが、振る舞いはまるで異なっている、一人は常に酔い、一人はいつもさめている、互いに互いを笑っては、理解しあおうとしない 小心翼翼たるは何と愚かなことか、酔っ払って騒いでいるほうが少しはましなようだ、そこな酔っ払い人よ、日が暮れたら蝋燭をとって、更に飲み続けるがよい 酔漢と謹厳居士とを対比させて、酔漢に軍配を上げたこの詩は、飲酒二十首のなかでも最も痛快なものだ。 |
前へ|HOME|飲酒|次へ |
作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2007 |